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【歴史部】<白老町>”陣屋跡”はなぜできた?「仙台藩白老元陣屋資料館」を見学してきました!

こんにちは、えぞまち歴史部です。
先日、白老町にある「仙台藩白老陣屋跡」を見学してきた記事を公開しました。

 

www.ezomachi.com

 

今回の記事では、同じ敷地内にある「仙台藩白老元陣屋資料館」についても合わせて見学してきましたので、その内容をご紹介します!

 

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■仙台藩白老元陣屋資料館

 

 

仙台藩白老元陣屋資料館は、先に触れた仙台藩白老陣屋跡の内曲輪に近い場所に位置しています。

 

 

さっそく内部へ…

 

 

中へ入ると、さっそく仙台藩の武士たちの甲冑が展示されていました。

 

 

三日月が特徴的な「弦月形前立」は、伊達政宗で有名ですね。

 

 

この「九曜」の家紋は、仙台藩の伊達氏の家紋となっていますね。
九曜にも、「離れ」がある「細川九曜」や、保科氏・会津松平家の西郷氏に使われている「角九曜」など、いろいろなバリエーションがあるのですが、伊達氏の「丸に九曜」は比較的オーソドックスなバージョンですね。

 

 

入り口では、エゾシカとヒグマが出迎えてくれます。

 

 

資料館の展示内容は、まず、この白老の地になぜ仙台藩士たちが駐留することになったのかについて、パネルを交えて説明があります。

 

 

先の記事でも触れましたが、この地に仙台藩士が駐留することになった理由としては、やはりロシアの脅威が大きかったわけです。

 

 

奥に進みますと、仙台藩士についての展示があります。また、当時の白老の様子や、いかに陣屋が築かれたのかについての展示へと進みます。

 

 

この白老陣屋が築かれるにあたっては、仙台藩士の努力があったことはもちろん、地元のアイヌの人々にも力を借りて、超突貫工事で築かれた旨が解説されています。

 

 

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当時、白老陣屋に送られた兵器も展示されていました。目を引くのは、中央に置かれた大砲(大筒)ですね。とはいえ、この大砲は当時としてもすでにかなり旧式化した前装式の鋳造砲でした。当時のロシアやアメリカ・イギリスとの戦いがもし起こっていたら、どの程度活躍したかは未知数ですが、やはり当時の情勢を考えると、「どのような兵器を配置するか」よりも、「配置したこと」そのものが重要だったのでしょう。

 

 

他にも、当時の藩士が使用していた槍・鉄砲なども展示されています。

 

 

白老陣屋に仙台藩士が駐留することになったことで、これまでよりもさらにアイヌとの交流があったことが絵巻から読み取れますね。「イオマンテ(熊送り)」の儀式の様子も描かれていますね。

 

 

こちらは、当時の北海道をどのように各藩が「分治」していたかを色分けして示した地図です。
仙台藩は白老~襟裳までと釧路周辺を「領地」として、十勝・厚岸~根室以東を「警衛地」とされていたようですね。

 

陣屋の全容を模したジオラマもあります

 

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その後、白老陣屋は唐突に役割を終えることになります。幕府政治の終焉と大政奉還、その後の戊辰戦争によって、仙台藩が「逆賊」の扱いを受けてしまったことによります。当時、国元を離れ遠い蝦夷地に派遣されていた白老の仙台藩士の焦燥は推して知るべしといったところでしょうか。白老の陣屋に対しても函館から新政府軍の追討軍が派遣されるに至り、追討軍が到着する前に撤退することとなった旨の解説があります。

 

 

館内にはその他、仙台藩そのものに関する展示や、伊達家に関する展示、また、仙台藩の中級武士で、蝦夷地警護の責任者として活躍した「三好監物(清房)」に関する展示があります。

 

■おわりに

 

 

幕府や国の論理として、ロシア・アメリカ・イギリスなどの列強に対して日本の国土を守りたいという理屈はその通りだと思いますが、個々の仙台藩士にとってみれば、やはり国元を離れて当時開拓も充分でない北海道(蝦夷地)へ派遣されて、何もない場所に陣屋を築いてそこに駐屯する、というのは尋常なことではなかったでしょう。そして、それだけの苦労をかけた陣屋も、統治体制の変革によってすべて手放さなければならなくなったというのは、それぞれに無念もあったことでしょうね。ここ、「仙台藩白老元陣屋資料館」では、そんな仙台藩と白老の歴史の一端に触れることができました。

 

●施設情報

 

 

■施設名:仙台藩白老元陣屋資料館
■住所 :〒059-0912 北海道白老郡白老町陣屋町681−4
■リンク :http://www.town.shiraoi.hokkaido.jp/docs/2020062800019/
■地図 :

 

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