登別で出土した土器や石器の展示!「のぼりべつ文化交流館 カント・レラ」
こんにちは、えぞまち歴史部です。
北海道白滝遺跡群出土の黒曜石・石器類が国宝指定されるなど、北海道内の歴史にも関心が集まっていると感じます!
今回、えぞまちが訪れた北海道登別市は、観光施設としての「のぼりべつクマ牧場」や「登別マリンパークニクス」「登別伊達時代村」などが有名なのですが、実は登別市、伊達市など「噴火湾(内浦湾)周辺」には様々な遺跡が残っており、それらを展示する施設もあります。歴史部としてはそちらも注目したいところです。
さて、今回えぞまちが訪問したのは、そのうちの一つ、登別市にある「のぼりべつ文化交流館 カント・レラ」という施設です。
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「のぼりべつ文化交流館 カント・レラ」
「のぼりべつ文化交流館 カント・レラ」は、もとは「登別温泉中学校」という学校だったのですが、平成16年に閉校。現在は、登別市内で出土した土器・石器を保管・展示している展示室となっています。


「火起こし体験」や「シカの角で縫い物体験」などの「体験型学習」もできるようですね。
こうしてみると、土偶・埴輪・土器、本当にそれぞれ特徴的です。




登別市にある「富岸川右岸遺跡」の再現ジオラマですね。


登別市と周辺の各遺跡の概要説明もわかりやすくパネル展示してあります。
土器の欠片を再利用してつくった道具ということですね。確かにヤスリのような小さい工具として使ったと言われれば、そういうものかな…?とも見えるのですが…。
一定の形に加工したということは、やはり何かの意図があってそうしているのでしょう。想像が膨らみます。
縄文時代の道具の作成プロセスですね!
教科書などの解説ですと、いとも簡単に道具を作っていたかのように感じてしまうのですが、やはり製作途中で失敗したものも多数あるということがわかりますね。当たり前といえば当たり前なのですが。
何かと話題にのぼる「黒曜石」ですね。
もちろん道具として優れていたということもあるのでしょうが、黒曜石はビジュアルも特徴的なので、単なる「道具」以上の認識があったのではないかなと思います。
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こちらは「図書室」です。
縄文関連の膨大な図書がありますが、その中に、「高室弓生」先生の「縄文物語―わのきなとあぐね」・「ニタイとキナナ」がありました。
高室弓生先生の作品は、縄文文化の正確な描写が特徴とされているために、漫画・コミックとして読み応えがあるだけでなく、なんと縄文時代の知識の導入にもなるという作品ですので、このような場に展示されているのだなと納得しました。
もちろん、特に知識がなくてもほのぼのとした東北の縄文時代の雰囲気を味わう漫画としても楽しめます!(巻末の「縄文うんちく講座」もおすすめです)
高室弓生先生のHPはこちらから


出土した土器片の保管室もありました。
こちらは全体を撮影することができなかったのですが、とにかくケースが山積み!という状態で、これらをひとつひとつ精査して展示していくのだな…と考えますと、発掘に従事されている方々のご苦労に頭が下がる思いです。
これらの出土品の精査が進めば、カント・レラの展示に加えられる可能性もありそうなので、後日訪れるとまた展示が充実しているということもありそうで、期待です!
2階には閉校となった温泉小学校・温泉中学校の展示
2階の展示は、閉校となった「温泉小学校」「温泉中学校」のあゆみが展示されています。
うーん、この「談話室」の感じ、ノスタルジックです。
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屋外では思わぬ体験ができそう?
さて、入る際にも気になったのですが、屋外にも家屋が復元されています。
ここは何かな…?と受付の方にお声がけすると、中に立ち入らせてもらうことができました。
この場所には、「室蘭登別たたらの会」さんの看板があり、「古代の製鉄法 たたら吹き実演」の文字が…!み、見たかった…!
おわりに
「のぼりべつ文化交流館 カント・レラ」、決して「観光向け」に整備された場所ではありませんが、縄文・考古学に関心のある方にとっては大満足の施設と思います。
資料数や展示数も数多くあり、これだけ見てまわっても、「もっと見たい!」と思わせられるほどでした。
今後、展示が変更になったり追加されたりした際には、ぜひまた訪れてみたいと思います。
●施設情報
■施設名:のぼりべつ文化交流館 カント・レラ
■住所 :〒059-0551 北海道登別市登別温泉町123
■URL :https://www.city.noboribetsu.lg.jp/docs/kantorera/
■地図 :
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