こんにちは、えぞまち歴史部です。
街中を歩いていると、「あれ?これなんだろう?」と気になるモノが見つかったりしますよね。
たいていは「ま、いっか…」で済ませてしまうことが多いでしょうが、興味を持って調べてみると、予想していなかった歴史と出会える場合があります。
今回「えぞまち」が訪れたのも、知らなければ「これ、なんだろう…?」で素通りしてしまいそうなものでした!
苫小牧市元町にある「ナゾのコンクリート塊」!?
今回訪れた場所は、苫小牧市元町1丁目、太平洋がすぐそこに見える場所です。
この海岸沿いから少し民家側の場所に、突如として「コンクリートの塊」が現れます。
実はこのコンクリート塊の正体は、太平洋戦争時代に築かれた「トーチカ」だったのです!
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トーチカとは?
「トーチカ」というのは、普段の生活ではあまり耳にしない用語ですよね。
「トーチカ」は、兵士が隠れる掩体壕の一種、簡単に言えば防御陣地のひとつです。
銃を使うのが一般的になった時代になると、兵士は敵の銃弾から身を隠す場所が必要になりました。
そこで、鉄筋コンクリートで円形や方形の箱をつくり、その中に兵士を隠して防御陣地にしよう!というのがトーチカの目的です。
頑丈な鉄筋コンクリートで作られたトーチカは、銃弾だけではなく、より大きな攻撃力がある大砲などの弾や破片などからも、兵士を守ることができたそうです。
苫小牧市にトーチカが築かれたワケ
では、なぜ苫小牧市に戦争遺構であるトーチカが築かれているのかというところが気になりますよね。
トーチカの役割は、敵の兵士が上陸してきたときに敵が侵攻してくるのを阻止することです。
つまり、苫小牧に敵の兵隊が入ってくるかもしれない!という危機感から建築されたわけですね。
そのため、太平洋戦争も末期の末期、いわゆる「本土防衛」のための施策の一環として築かれたものとされています。
つまり、アメリカ軍など連合軍が北海道に上陸してくると考えたのでしょうか。あるいは、当時のソ連が念頭にあったのかもしれませんね。(根室市や厚真町など太平洋側の市町村には同様のトーチカ跡が複数あります)
残念ながら入り口は閉鎖されており、中を見ることはできませんでした。
しかし、長年風雨にさらされていたのにも関わらず、現在でも「トーチカ」の形を保っていることから、やはり頑丈に作られているのだなということはわかります。
ちなみに、海側に入り口がないのは「海側から攻撃される」からですね。
※元町トーチカは、すぐとなりに民家があります。訪問される際は、民家の敷地に入らないよう、またご迷惑とならないよう注意してください。
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苫小牧市「緑が丘公園」にもトーチカが!?
札幌方面から苫小牧市に向かう際に見える「展望台」がある公園、「緑ヶ丘公園」は、サッカー場やテニスコートなどがある、市民の憩いの場となっている公園です。
※えぞまちでも過去に訪問しています
実は、この公園にも「トーチカ」があります。
残念ながら、元町トーチカのように全体が露出しているわけではなく、ほとんどが埋没してしまっているのですが、野球場から道路を挟んだ藪の向こうに…
不自然にコンクリートが露出しています!ここも防御拠点と考えられていたのでしょうか。
こうした遺構も歴史を伝えるものとして、できるだけ保全して見学したりできるようになると良いですね…。
※現在の緑ヶ丘公園トーチカは、深い藪の向こうに見える程度です。怪我などの危険がある可能性がありますので、安易に近づくことは推奨しません。
大切な遺構、これからも探っていく予定です!
苫小牧市、厚真町など、太平洋沿岸の市町村には、このほかにもいくつかのトーチカ跡が現存しています。
苫小牧市のものも含めて、他のトーチカも今後訪れていこうと思います。
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施設情報
◯施設名:元町トーチカ
◯住 所:〒053-0804 北海道苫小牧市元町1丁目5
◯地 図:
◯施設名:緑ヶ丘公園トーチカ
◯住 所:〒053-0035 北海道苫小牧市高丘
◯地 図:
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