こんにちは、えぞまち歴史部です。
住宅街にある公園は、そこに住む人々が子どもを遊ばせたり憩いの場として整備されることが多いものです。その一方で、かつては何らかの施設であり、それが後年「公園」として整備されたという例も多くあります。
今回えぞまちが訪れた「精進河畔公園」も、その中のひとつでした。
精進河畔公園とは?
さて、今回えぞまちが訪れた「精進河畔公園」は、豊平区中の島2条8丁目にあります。ここから少し北の豊平区水車町7丁目あたりで、豊平川から東に小さな支流が流れます。これが「精進川」です。
精進河畔公園は、この精進川のほとりで、すぐ西側には豊平川が流れます。
精進河畔公園は自然豊かな公園ですので、四季を通して楽しめそうです。
丸太の階段や、橋も架かっています。
こちらの切り株には、どんぐりがたくさん保存されていました。エゾリスさんの仕業でしょうか…?それとも子どもが集めたのでしょうかね?
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精進川の滝
精進川には「滝」があります。もちろん、山の中にあるような大きなものではありませんが、公園を散策していると爽やかな水音が聞こえてきます。
ちなみに…この精進河畔公園の中を流れる精進川は、初秋にはサクラマスの遡上がある場合もあるようです。豊平川の支流であることを考えると、さもありなんというところですね。
ところが、この「精進川」という川の名前の成立には、2つの説があり、それがサクラマスの遡上と関わりがあるのです。
1つ目の説は、アイヌ語の「オソ(ショ)ウシ」(川尻に滝がある、の意味)から、「お精進」となり、「精進川」となったという説。これもありそうな経緯です。
そして2つ目の説は、「魚の住まない川」ということから、「精進」で「精進川」となったという説です。豊平川には、崖に滝があり鮭が遡上しなかったことに由来しているようですね。
そうすると、当時は魚が遡上してこなかった川に、いつからサクラマスが遡上するようになったのか…興味は尽きません!
精進河畔公園の「氷池跡」
さて、精進河畔公園を歩いていると、白石・藻岩通り沿いに「氷池跡」の標識が現れます。
この精進川と南22条橋周辺のエリアに天然氷を採取する「氷池(ひいけ)」があったとの説明があります。見落としがちですが、かつて氷は家庭でいつでも作れるものではなかったわけですよね。
函館にある五稜郭の堀が、かつて氷池として使われた(函館氷)というエピソードを思い出しました。
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現在の「氷池」
現在は、もちろん「氷池」は必要とされません。そのため現役で稼働している氷池はありません。しかし、精進河畔公園のちょうど中程には、復元された「氷池」があります。
現在の「氷池」では、鴨さんが優雅に泳いでいました。
「氷池」の周辺には、現在は使われていないであろう水門の跡がありました。
この精進川の水は、平岸地区で盛んであったりんご農家の農業用水として使われたという経緯もあったようです。精進川は氷池・用水路として、地域住民にとって重要な存在であったようですね。
おわりに
精進河畔公園は、住宅街のすぐそばにある河畔公園です。しかし、公園に一歩足を踏み入れると圧倒的に「自然の中にいる」という実感に包まれる公園でした。
川のせせらぎ、氷池の展示、豊かな緑と、日々の疲れを自然の中で癒せるすばらしい公園でした!
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施設情報
◯施設名:精進河畔公園
◯住 所:〒062-0931 北海道札幌市豊平区中の島2条8丁目2
◯URL :精進川と天神山ルートのご紹介/札幌市豊平区
◯地 図: