レトロな建物「札幌市資料館」の正体とは!?
こんにちは、えぞまち歴史部です。
コロナ禍に見舞われてから、イベントごとが少なくなりました。
夏の風物詩「大通ビアガーデン」もまた、実施されない期間が長くありましたが、2022年は3年ぶりに開催されましたね。
さて、今回えぞまちが訪れたのは大通ビアガーデンではありませんが、会場ともなっている大通公園の、西側終端にある「札幌市資料館」です。
大通公園のもっとも西側にある「札幌市資料館」。
レトロな建物外観は関心を惹かれやすいですが、中まで入ってみたことはない、という方も多いのではないかと思います。
名前が「資料館」というのも、なんだか堅苦しそうで敬遠してしまいますよね。
さて、今回はそんな「札幌市資料館」の展示を見に行ってきました!
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札幌市資料館とは?
札幌市資料館という名前となっているこの建物は、もともとは「札幌控訴院」という建物でした。
「控訴院」というのは、「控訴」という名前が示すように裁判を行う施設ですが、現在で言うところの「高等裁判所」に該当する裁判所です。
この「控訴院」という名前の裁判所があったのは1886年から1947年までの「裁判所官制」・「裁判所構成法」体制下の時代です。ちなみにこの時代には、現在の「最高裁判所」は、「大審院」と呼ばれていました。
全国各地にあった「控訴院」のうち、ここ「札幌控訴院」は、大正15年(1926年)に建造された建物で、札幌軟石を使用した建造物です。
令和2年(2020年)12月23日には、国の重要文化財にも指定されました!
札幌市資料館1階の展示
この札幌控訴院は昭和48年(1973年)11月3日に裁判所が移転されたため、以降は札幌市資料館として開館しました。
開館した当初は札幌オリンピック関連の資料、札幌にゆかりのある文学関係の資料などを展示していたようです。
しかし現在の札幌市資料館のメインの展示は、この建物が札幌控訴院であったときを復元した「刑事法廷展示室」です。


このように見ると、現代の裁判所と大きく変わるわけではないのですが、裁判官(判事)の視点から法廷を見るというのはなかなか新鮮な体験かもしれません。
また、法服(裁判所職員・法曹関係者が着る服)も展示されています。
知っている人も多いですが、法服に黒色が採用されているのは、「黒はどんな色にも染まらない」ということから、裁判官の公正さを象徴するためと言われています。
ちなみに、法服が日本で「制服」として着用する旨が規定されたのは1890年の裁判所構成法によってで、それ以前、初期の明治政府の法廷では、判事・検事の服装もまちまちであったそう。
こちらは知らない方もいるかもしれません。
イギリス・アメリカでも黒の法服を採用していますが、イギリスでは弁護士は黒の法服と合わせ、中世風の白い「巻き髪」カツラを着用しています。おもしろいですよね。(一部では廃止された地方もあるようです)
このような姿です(参考)
刑事法廷展示室の反対側には、「おおば比呂司記念室」や、札幌国際芸術祭(SIAF)に関する展示、「SIAFラウンジ」や、「まちの歴史展示室」もあります。


訪れた際はぜひこちらも見てみてくださいね。
1階廊下部分も、札幌控訴院時代からの歴史に関する展示パネルがあります!
【1階廊下展示パネルの一部をご紹介します!】


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札幌市資料館2階部分の展示
先にご紹介した刑事法廷展示室は、札幌市資料館の1階にあります。
では2階には何があるのでしょうか。


ステンドグラスがある階段を登り2階に行くと、「ミニギャラリー」が並んでいます。


ミニギャラリーはその名のとおりギャラリーとなっていて、芸術作品などが展示されています。
ミニギャラリーの室内や、窓から見える景色も魅力的です!
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おわりに
「札幌市資料館」というお堅い名前で敬遠してきたという方にも、ぜひ札幌市資料館を訪れていただきたいと思いこの記事を書きました。
どうでしょうか?思っていたほどお堅い施設ではないですよね?(そうでもないですかね…)
裁判や歴史などに興味がなくても、レトロな建物という点でも札幌市資料館は魅力的な施設です。
芸術・創作方面で活動されている方は、札幌市資料館の貸室を利用して展示することもできますよ!
公共機関からのアクセスもよいですので、ぜひ一度といわず何度も訪れてみてください!
●施設情報
【住所】:〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西13丁目
【詳細】:https://www.s-shiryokan.jp/
【地図】
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