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【歴史部】<札幌市>「ゴールデンカムイ」要素もたっぷり!?「つきさっぷ郷土資料館」を訪れました!

なんだろう?と気になっていた「レンガ造りの資料館」

 

 

こんにちは、えぞまち歴史部です。

たまにスマホで地図を見ていると、「こんな場所にこんな施設が…?」と、気になる建物を発見することがありますね。
たいていそのような場合、「まだ他にもあるかもしれない…!」と、止まらなくなってしまうのですが…。

今回えぞまちが訪れたのは、豊平区月寒にある「つきさっぷ郷土資料館」という場所です。

周囲は学校と住宅街なのですが、その中にぽつんとレンガ造りの重厚な建物。周りはポプラ並木で囲まれています。

どうやら月寒(つきさっぷ)の歴史に関する資料館らしい、とのことで、さっそく訪れてみました!

月寒(つきさっぷ)の歴史は日本陸軍と深い関わりがある

 

 

この「つきさっぷ郷土資料館」ですが、もともとは、「旧北部軍司令官官邸」であったとのこと。

 

 

明治29年(1896年)、札幌に第7師団が設置、月寒には歩兵第25連隊が設置されました。

昭和15年(1940年)、北部軍司令官が現在の月寒中学校の場所に置かれ、この「つきさっぷ郷土資料館」には、司令官官邸が置かれました。

戦後、北海道大学の学生寮として使われていました。

1985年からは「つきさっぷ郷土資料館」となった、とのことですね。

 

ちなみに、この札幌におかれた「第7師団」は、話題のアニメ「ゴールデンカムイ」にも登場します。
ただし、鶴見中尉率いる一団は第7師団の「造反組」であるため、本来の第7師団というわけではないですね。

また、劇中では鶴見中尉に従ったのは歩兵第27聯隊とのことなので、この月寒にいた隊とは少しばかり異なります。

 

しかしながら、このつきさっぷ郷土資料館の展示内容について、時代は一緒ですので、「リアルゴールデンカムイ展だ!」という声もあるようです。

 

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さて、実際に中に入ってみましょう。

 

館内展示は迫力満点

 

 

入ってすぐの1Fのエリアには、当時の開拓民の様子や、使用していた道具などの展示があります。「開拓の村」などの展示を見たことがある方には馴染み深い道具の展示ですね。

 

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こちらは狩猟用の「村田銃」です。

この銃は、アニメ「ゴールデンカムイ」では「二瓶鉄造」が使用している銃ですね。

 

もともとこの銃は、旧薩摩藩の村田経芳が開発した銃で、フランス製の「グラース銃(薬莢を金属薬莢用に改造したシャスポー銃)を国産化するべく開発した銃です。

ちなみに開発されたのは1880年(明治13年)のことで、ゴールデンカムイの時代設定である日露戦争終結後の1907年にはすでに旧式化した銃と評価できます。

1894年の日清戦争においては、第一線部隊で使用されていたようですね。

 

個人的には、村田銃の上にある「熊おどし」が気になりました。「直槍(すぐやり)」と読むんですね。「ちょくやり」や「じかやり」ではないようで…。

 

 

この巨大なノコは、開拓の村や、山鼻屯田記念会館でも同様のものが見られます。開拓時代からの標準装備ですね。

 

www.ezomachi.com

 

 

階段を登って2Fへ進みます。

 

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2Fは戦時中の展示

 

2Fは、おもに戦時中の装備品などが多く展示されています。

 

 

「サンパチ」と呼ばれてしまうこともある三八式歩兵銃ですが、正式には「さんはちしき」だそうです。ちなみに三八式歩兵銃は戦後、日本国外へ相当数が流出し、アメリカやカナダでは収集家が保存していたり、スポーツライフルとして人気が高いようです。

 

 

こちらは72ミリ砲弾です。これだけの大きさの弾頭が飛んでくると考えるだけで恐ろしいですね。

 

 

こちらは「軍用スキー」です!

ちなみに、日本の軍隊にスキーを普及させる活動を促進した「長岡外史」という方がいるのですが、あだ名がなんと「プロペラ髭」だったそうで…どうやってこの形にしたのだろうといつも悩みます。

 

ja.wikipedia.org

 

本人も、70cmにもなったプロペラ髭を自慢していたそうで…いや、すごいんですけれども。

 

ちなみに(その2)ですが、詳しい方はご存知でしょうが、「バイアスロン」というウィンタースポーツは、「クロスカントリースキー」と「ライフル射撃」を組み合わせた競技です。


このバイアスロンは、スキーで雪原を滑走して、銃で獲物を撃つという狩猟から始まり、その後、ノルウェーでこの技術を雪中戦や森林警備隊の技術として活かそうという試みから軍隊に取り入れられたとされています。

 

 

第二次世界大戦末期、ポツダム宣言受諾後の戦闘停止期間中にロシアが進軍してきたことで戦いとなった、「占守島」や千島列島での戦いに関する展示もありますね。

 

北海道は本州と比べて第二次世界大戦ではあまり話題に登らないのですが、これら千島での戦いのほか、樺太の戦いなど、対ロシア(旧ソ連)との間ではかなり悲惨な戦いを強いられたという経験もあります。

 

 

こちらは、北部軍最後の司令官となった「樋口季一郎」氏の肖像ですね。樋口季一郎氏といえば、第二次世界大戦中に、当時「日独防共協定」として同盟を締結したばかりのドイツに対して、「ユダヤ人追放の前に、彼らに土地を与えよ」と激しく批判したうえ、アメリカへ亡命するユダヤ人の通過を認めるために出国の斡旋をするなどしてドイツから抗議されたという「オトポール事件」が有名です。

 

日本国内でも当時この発言・行動は問題視され、処分を求める声が上がったものの、樋口氏は東條英機中将(当時)に対して、「ヒットラーのお先棒を担いで弱い者苛めすることを正しいと思われますか」と堂々とした態度だったようです。

 

いつの世にもブレない良心を持つ人物というのは存在するものですね。

 

 

さて、他の展示ですが…こちらは「ゴールデンカムイ」にも登場した「月寒あんぱん」。この話題については、また後日えぞまちにて記事化しようと思います。

 

 

このほか、明治~昭和にいたるレトロな物品がまとめて展示されているエリアもあります。こちらはどちらかというと民生品、家庭で使われる物品が多い印象ですね。

 

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おわりに

 

つきさっぷ郷土資料館は、”軍都”つきさっぷの陸軍との関わりと当時の暮らしぶりとの両方を、凄まじい資料点数を眺めながら学べる資料館です。

記事ではそのすべてを解説することはできませんでしたが、ひとつひとつをつぶさに見ていればあっという間に時間が過ぎてしまうほど、興味深い資料が数多くあります。

ゴールデンカムイ好きの方はもちろん、月寒の歴史を心ゆくまで学べる施設です!

施設情報


■施設名:つきさっぷ郷土資料館
■住所 :〒062-0052 北海道札幌市豊平区月寒東2条2丁目3−9
■URL  :https://tsukisappu.info/museum/
■地図 :

 

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